再考の余地は?今後の方策は?八尾市出張所機能再編
八尾市議会平成30年9月定例会本会議にて、次の様なやり取りがありました。
質問 (大阪維新の会 田中しんじ議員)
・なぜ(平成29年10月をもって)八尾市内の出張所にて、証明書の発行・届出業務をやめてしまったのか、その理由がいまだに本当によくわからない。それらの業務をやめたことによって、市民の方々にご不便をお掛けしてまで、新たに出張所・コミセンで出来る様になった業務はありますか?
答弁 (市民ふれあい部長)
・(発行・届出業務を)やめた理由は、(やめるという条例改正案を)議会でご議決頂いたからです。
・・・その通りと言えばその通りなのですが。
職員の方々においても、「業務の完全廃止は時期尚早だ」とは思いつつも、「議会で議決されたからその通りに業務を執行しているのです」という風にも聞こえます。
民間バス路線が廃止された直後に、地元の出張所での行政機能も廃止されてしまい、本当に市民サービスを受けるのに、不便極まりない環境に陥ってしまった地域もあります。
「出張所」という公的ストック・ハードの効率的な活用を追求することが目的なのであれば、廃止する証明書発行・届出業務機能はストックを保有しない形で供給するなど、ソフトによる代替手段を検討すべきと私は考えます。証明書のコンビニ交付では届出業務は補完されず、不十分です。
現在の八尾市は、残念ながら市役所周辺にお住まいの方と、縁辺地域にお住まいの方が受けられる市民サービスに大きな偏りが生じており、市税負担の観点から不公平が生じていると言わざるを得ません。証明書・届出業務の出張所での即時復活を望む声も地域から多く耳にします。
出張所での行政サービス機能を完全廃止するのであれば、例えば、地域の主要な商業施設の一角を賃借し、職員を派遣するなど、柔軟な発想で地域に不便を強いない役所の努力が不可欠です。
さらに知恵を使えば、出張所用地を民間に貸与し、施設も含め事業者負担で商業施設を新たに整備し、その一角を役所が間借りして行政サービス機能を提供するなど、斬新な手法を採ることで、公共施設保有に伴う支出を削減しながら収入を得ることも可能です。そうすることで、
◯買い物に行けばついでに役所の手続が出来る。
◯役所の手続に行ったからついでに買い物もして帰ろう。
といった事が可能な、ただ単に行政手続きが出来るだけの出張所より、とても便利な施設が地元に出来ますね。地域コミュニティ活動の拠点も、その様な人が自然に集まる複合施設で行えば良いと思います。その方がコミュニティ活動の拡大も図れるはずです。
実際にこの様に、民間の力を公有地・公共施設で発揮し、行政のサービス向上と収入増加を両立させている事例は全国に沢山あります。
結果として住民サービスをただ単に削っただけの、平成28年12月の八尾市の条例改正は失敗であったと言えるでしょう。地域コミュニティが活性化するためには、便利で暮らしやすいまちであることがその前提として不可欠です。行政手続きが身近に簡易に行えることも、その地域の「便利さ」のひとつの大きな指標でしょう。
市民も、事業者も、市も得をするアイデアを出し合い、地域の持つポテンシャルを最大限発揮出来ればと考えます。